台湾でロダンに会う

台北101から歩いて15分くらいのハイソサエティな地区にある富邦美術館にロダン展を観に行った。
富邦美術館の資本は富邦銀行。さすがお金は良きアートを呼んでくれる。
美術館前のオブジェも去ることながら道向かいのねじれた建物は有名建築家による高級マンションで、今のところわたしが台北で1番好きかもと思っている。
さて、今回はロダン。中国語だと羅丹ってなんだか仏教家みたい。
二ヶ月くらい前に同期達に誘われて来たものの、授業の都合でわたしだけ展示を観れなかったので今回は1人でリベンジ観覧。
この展示だけで日本円だと3000円くらい、常設まで観ると4000円というチケットの値段は学割で250円くらいが主流の台湾の美術館において、ぶったまげる高額な展示。値段がニュースにもなって、美術館側もわかった、わかった、下げますって。となったと聞いていたんだけど、変わらず高い。
ロダンのおじさん、高いけど私は観るよ、観てやりますよ。
彫刻への興味ってアートの中ではなかなか下位だったのだけど、結論、とてもよかった!
ベールの薄い布感を大理石で表現するって技術としてすごすぎ。
これはフランスの100年戦争時代に平和と引き変えに我が身を差し出した6人の英雄を模ったもの。
彫刻の力強さと迫力って他のアートとはちょっと違う力技感があるけど、ロダンの作品は体のバランスとか表情とかに技術の高さが現れていて、いや〜すごいね、とため息。
見よ、この手だけなのに何か物語が見える感じ!
これはなんと当時の日本人。
パリを訪れていた芸妓さんだったみたいで、顔がアート!彫りたい!となったらしい。
テレビもネットもSNSもない時代。
こんな髪型や顔つきはセンセーショナルかもね。彫刻として残してくれたおかげで120年後の今もリアルに当時の日本人に出会えた気分。
他にもまだまだ良い作品はあって、あと付録でもらったお金かかってるなーっていう冊子の説明が詳細なおかげでとても有意義な展示になった。
国立博物館の10倍の入場料したけど、富邦には銀行パワーを生かしてどんどん良い作品、キュレーターを台湾に引っ張ってきて欲しい。
アートって生きていくのに必要かって言うと今も昔も衣食住より優先度は低いはず。
でも人間とか風景の光を放つ部分を切り取って、今も昔も確実に私たちを豊かにしてくれる。
ロダンおじさんと富邦の金の力よ、ありがとう。

台湾の美術館巡りは続く。

The Weekend Traveler

時間がなくて旅に出たいけど出られないという人たちにおくる、週末中心の旅行記。個人的な旅の備忘録なので旅行サイトとしては役立たずかも。非日常の音や匂いや光を感じたい方はどうぞ。

0コメント

  • 1000 / 1000