スペイン・Ribeiro 修道院ワインツアー

6月初めの週末に弾丸で飛んだスペインでワイナリーにお邪魔してきた。


スペイン西部、ポルトガルにほど近いガリシア地方にあるとても小さなこの町は、近くに巡礼の道で有名なサンティアゴ・デ・コンポステーラがあることもあり、修道院もしくは元修道院がたくさん。

見渡す限りのブドウ畑。

泊ったのも修道院を改装したホテル。(これではない)

ホテルからワイナリーまでの道沿いには朽ちかけたような古い家がぽつぽつ。

古くても使われている建物と置き去りにされているものでは生気がまるで違う。

こんな風にワイナリーついでにホテル(といっても民宿みたいな規模)も一緒に経営してるところも結構あって事前に予約しておけば個人でも気軽に参加できるワイナリーツアー。


わたしらも友達が予約してくれたワイナリーへ。

近くで見るとワイルドなぶどうの木たちも俯瞰で見ると整然としていてとてもきれい。

 

このワイナリーはもともと修道院が経営していて、昔は農協みたいな地域の共同体みたいなところにしか出荷されてなかったから、一般の人たちの元には届かないワインたちだったそう。気温が高くてあまりいいぶどうもできなかったけど、その後修道院からここを買い取ったこの柄シャツおじさん一家ががんばっていいワインができるようにしたんだそう。


というのを、必死こいて聞いていたんだけどなんだか全然頭に入ってこないぞと思っていたら、柄シャツおじさんはガリシア語なるもので話していたらしく、ガリシア語がわかる友達にもう一息訳してもらう。

スペインではバルセロナがあるカタルーニャ地方はカタルーニャ語という全然違うような言語を使うことで有名だけど、案外他の地域もそういうかなり癖強めの方言みたいなのがたくさんあることを知る。行ってみないとわからないもんだ。


陽射しを吸い込む石畳みの貯蔵庫。

錆びた自転車がなんだかドラマチックで映画みたい。


光を取り込む窓はこれくらいのが少しあるだけ。

薄暗くてひんやりした蔵の中でぶどう汁は徐々にワインになっていく。


前日は友達の結婚式で夜中まで食べて飲んで踊って三昧だったわたしたち。

宴の後の疲労感と気だるさが残る中、ひんやりした蔵は居心地がいい。


昨日あんなに飲んだのにあんなにお腹いっぱいだったのに試飲が待ち遠しいイカれた旅の胃袋。

「CUNAS DA VIA」は「クニャス川」、CUNASっていう川が近くに流れていてそこから冠した名前だそう。湿度は低いけどじりじりした日差しの下、キリっと冷えた白は体にまっすぐ染み込んでいく。


太陽や風、水や川とかたくさんの自然の力をかりて育てられた一面のぶどう畑を前に、時間をかけて手間をかけて出来上がったワインを飲んでると、幸せがじわじわ広がる。


その昔、この土地で修道院の人たちがどんな暮らしの中でワイン造りをしていたのか、想いを馳せながら、友達がお土産に持たせてくれたクニャスのボトルをヨタヨタ抱えながら、ワイナリーとガリシアを後にした。


3度目のスペインでまた初めての景色と体験。

これだから旅はやめられない。







The Weekend Traveler

時間がなくて旅に出たいけど出られないという人たちにおくる、週末中心の旅行記。個人的な旅の備忘録なので旅行サイトとしては役立たずかも。非日常の音や匂いや光を感じたい方はどうぞ。

0コメント

  • 1000 / 1000