そう言えば、仙台旅のはなし。
また次の小旅行が迫ってきたので夏に行った仙台のことを残しておこうと思う。
夏の青春18きっぷを手にした時のこと。
どこへ向かおうかと思った時、会いたい友のことを思い出した。
思い出したが吉日で速攻メールして、一泊二日で尋ねることにした。
前日に派手に飲みすぎて始発を逃し、栃木あたりまでは二日酔いなのかまだ酔っぱらってるのかわからないふわふわした状態でただひたすら鈍行で揺られること9時間。
昼過ぎに仙台に到着。
あー、電車ってすばらしい。乗ってればちゃんと連れて行ってくれる。
時は8月。仙台もちゃんと暑い。
駅の近くに市場があるってんでちょっと覗きに。
市場にしては時間が遅いからあんまり売ってるものないかもよーと友人は言うけど、
見知らぬ土地の市場はいつだって旅人には刺激的。
こんなものもなかなかお目にかかれない。
まぐろって目ん玉になってもなんだか主役感がある。
人生で初めてほやってものに出会う。
震災のニュースでしか見たことがなかった「女川」という土地が、豊かな海のそばだってことが一瞬で理解できる。
仙台と言えば七夕まつり。
市場の中にもプチ七夕ゾーンが。
アンパンマンと一緒にぶらさがっているのは地元のゆるキャラ「ホヤぼーや」。
ホタテのベルトにサンマの剣、雰囲気は完全にやなせたかし一派だけどそこはかとなく漂うニセモノ感がとても愛おしい。
次回の仙台では絶対何らかのグッズを買ってしまいそうなかわいいやつに出会えて一時ほっこりする。
さて、一日目の目的地へバスで移動する。
バス停を降りたら河北新報の販売所が目の前に。
前に読んだ河北新報の震災ルポがとても素晴らしくて、芯のある新聞社だと敬服していたので、仙台で河北新報の文字を目にして勝手に感動。
こちらが今回の目的地、仙台文学館。
初代館長を宮城出身の井上ひさしが務めた宮城や東北出身の文豪や文化人の作品を鑑賞できるすばらしいところ。
本館までのアプローチもとても素敵で、真夏なのに木陰が涼しい。
スズキコージという画家さんの個展を観に行く。
芸術が爆発しまくっているとんでもないエネルギーを放つスズキコージの画たち。
溢れる色と線と明るくて暗いシュールな世界観に大満足。
毎日、効率とか実益とかスピードとかそんなのばっかり追いかけてて、こういう芸術の世界に触れるとスカスカになりかけていた自分の軸に豊かなものがじんわり入っていくような気がする。
館内は撮影できないけど、施設も展示もとてもよいのでまた来たい。
日が暮れてきたので美味しいものを求めて街に戻る。
最近にぎわっているらしい文化横丁は参考までに。
味のある風景がたくさん。
新しいお店も古い横町の持つ雰囲気を邪魔せずに共存していてかっこいい。
横町を外れた静かな通りにある友人お勧めの店に行ってみるも予約で満席。
次の予約までの30分ならいいですよ、ってなわけで猛スピードでオーダーする。
皿といい箸置きといい、郷土品ぽいのに品があってかわいい。
私の日常ではなかなかお目にかかれない赤身。
なんじゃこりゃーーー!!絶品のアジフライ!
もはや合掌したいレベルで美味。東北おそるべし。
束の間のおさかな天国を後にし、次なる酒場へ。
友がグルマンだと旅は何倍も楽しくなる。
仙台のクラフトビール屋で東北のクラフトビール試飲セットを何ターンか繰り返す。
シーズンじゃないんだけど・・・と友は言うけどこんな立派な牡蠣、次いつ出会えるかわからない!もちろん食べます!
ってなわけでツルっと。
一瞬で消えるピカピカの牡蠣。東北の海はほんとに豊か。
仙台の青豆を使ったピザ。
ここまでのうまいもの攻めとビールが胃を圧迫して全部食べれなかった無念が今も残る。
昨日まで、なんなら今朝まで酔っぱらっていたくせに、また今日は今日で酔っぱらう旅の週末。
20年来の友人が暮らす地元は自分がどこに暮らしていても特別な土地の一つだけど、実際に行ってみると人の気質や文化とか歴史とか、南出身のわたしにはなじみのないことも多くて発見だらけ。
広い東北の玄関、仙台。
また違う東北の地へ行ってみたいな。
寒くないときに。
まだ旅はつづく。
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