キョンと流人が守る島 八丈島 その2

2日目の八丈島。
勝った。
晴れている。

アフリカあたりの大地に見えなくもない荒涼感を放つ朝の八丈島。
宿とビジターセンターが近いので、朝食の腹ごなしにキョンを見に行く。
朝のキョン。
心なしかどころか全員ボケっとしてる。
生きるってこんなもんでもいいよなーと何だか気が抜ける。
さて、今日は昨日宿で見たお手製のチラシに釣られて急に人生初の挑戦をしてみることに。
しかし真っ直ぐな道ばかり。これは島外で運転したら即事故りそう。
いきなりの挑戦はこれ。

スキューバダイビング。
タンクに命を預けるなんて一生無理だと思ってたところ、旅のバディに後押しされ、急に体験ダイバーに。
しかも海ガメにも出会いまくり。

これってダイビング始める人たちが、海ガメと泳いでみたいとかマンタと泳ぎたいとか憧れるやつなんじゃないのかい。こんな速攻出会ってしまって、しかも次々と出会ってしまって、何なら私をシカトして私に向かってくるけども…
という静かなパニックに襲われる。
昨日ビジターセンターで見たウミウシとも海の中で出会ってしまう。
真っ白なウミウシは珍しいみたいでダイバーさんがわざわざ教えてくれた。
海ガメはこうやってせっせと苔を食べてた。間近で見ると海ガメって小さい恐竜みたいでドキドキする。
こうして海の中を見てみると色んな生き物と植物の世界があって、こんな綺麗で生きた世界を人間の勝手で壊してしまうのはエゴがすぎるかもなと思った。できるもんならこの海ガメ達も辺野古埋め立て反対の抗議活動とかに参加したいに違いない。
さて、朝から濃い体験をしたので午後からはふわふわと見学したり温泉を目指したりする。
今回は車を借りていないので公共交通機関を利用しまくる。
バス停で地元のJKと一緒になる。
さすが東京都。
女子もパンツが選べる制服のよう。
バスをうまいこと捕まえてやってきたのは八丈島の伝統織物、黄八丈の工房。
絹を島の植物から採れた染料3色で織り込むこの黄八丈は昔から米の獲れない島から幕府への献上品とされていた。
島の織子さんは女性で、従って稼ぎ頭は圧倒的に女性ってことで、昔はこの島には女性しか住んでいなかったとか。ちなみに男性は近くの青ヶ島に暮らしていたそう。
染められた柔らかな絹糸がそよそよと穏やかな風に揺れる。
工房から温泉を目指してとことこ歩く。
こういうコンクリートの建物がちらほらあって沖縄の中部を彷彿とされる。そして「東京」という違和感。
ちびまる子ちゃんとアンパンマンとトトロが描かれた廃屋。もはやカオスすぎてSNSでも炎上しなさそうな自由な世界。
温泉までの道で偶然見つけたお茶屋さんに入ってみる。
この丸い石垣を結構見かけたんだけど、同じ工法がインドネシアあたりにあるそう。
海は繋がってるから島の文化はおもしろい。
古民家カフェをお洒落に改築した窓から見えるのは、ヤシ科の木やらなんやら八丈島のワイルドで雑多な木々。アンマッチすぎて外は異世界みたい。
長い山道を下って温泉に辿り着く。
八丈島は火山活動でできた島なので温泉がいくつもある。

が、この日は設備故障とかなんやらかんやらでなんと一箇所しか稼働していない。
けどもオフシーズンだし土曜日の昼間っから温泉目指して来る人は多くなく、ゆっくり楽しめた。
帰りもバスに揺られる。
夕陽が沈むとこなんでいつぶりに見るかねーなんて思いながら。
夜は念願の八丈島を居酒屋で食す。
海苔の握りが感動的に美味しく、そして八丈島の寿司は沖縄の大東寿司と激似でこれまた海の繋がりを感じた。
島の自然と文化を存分に体感した2日目はこれで終わり。

3日目に続く。

The Weekend Traveler

時間がなくて旅に出たいけど出られないという人たちにおくる、週末中心の旅行記。個人的な旅の備忘録なので旅行サイトとしては役立たずかも。非日常の音や匂いや光を感じたい方はどうぞ。

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