湯けむり北投小旅行

1月も後半になり、ぐずぐず天気で台北も全身にカイロを貼りたい寒さが続いたある日、台北の温泉地として有名な北投に日帰り旅してきた。
新北投という最寄駅は日本統治下で作られた駅舎が目の前に残っていて、今は博物館として開放されている。

寄りの写真がないけど、旧線路と奥が駅舎。
駅前の温泉体験スペース。
手を浸すだけだけど、寒いからそれだけでテンション上がる一行。
まずは歩いて北投温泉博物館を目指す。

途中にある北投図書館は2014年に世界の美しい図書館トップ20に選出された木造建築が美しい図書館。
と言っても中は普通の市立図書館なので今回は見るだけ。
さて北投温泉博物館に着きました。
裏から見た写真しかない…
とりあえずこのレンガの建物が博物館。

北投は日本統治下で温泉郷として栄えて、この博物館の前身は北投公共浴場だったそう。

博物館は無料でシニアスタッフのおじいとおばあにものすごく急かされながら入場する面白いところ。
ど真ん中に畳部屋があって、日本時代の建築やら文化やらが体感できる。
同期の日本人と正座に挑戦してもらったけど、速攻ギブアップするポーランド人。
和式とは忍耐でもあるのだよ。
博物館で温泉文化を学んだらいざ源泉へ。

北投渓から湧き出る地熱谷では北投石という鉱石が生成されて、この北投石は世界の鉱石の中で唯一、台湾の地名を冠したものだそう。
別府に住んでいた記憶が呼び起こされる硫黄の匂い。
温泉の地獄自体をあまり知らないヨーロッパ人達は匂いがする事が特に気にならないみたい。そうよね、あんま地震もないもんね、ヨーロッパ。
源泉は90度以上あるそうでまさに地獄。

小雨が降る中での湯けむりは情緒的でとても良い。
雨がひどくなってきたので、足湯が体験できるお風呂屋さん兼お茶屋さんで休憩。
足湯代はお茶代込み。
温泉が沸いていても、浴場という存在を知らなければ温泉街は生まれないから、温泉文化を持ち込んで一つの街の文化に仕上げた日本人にはグッジョブと伝えたい。

だけども1990年代に一度廃れた北投公共温泉を復活させたのは地元の小学校と先生だそうで、北投の人たちの手で再び博物館として生き返っている。

台湾は未来を作ることばっかりじゃなくて、歴史も整理して後の世代に繋げようという取り組みがいいなと思う。
足湯であたたまった後は、ケーキとかコーヒーとか台湾なんも関係ないおやつを食べて解散。住みながらの観光はこんな気軽がよいなと満足の一日。

また近場を旅しよう。

The Weekend Traveler

時間がなくて旅に出たいけど出られないという人たちにおくる、週末中心の旅行記。個人的な旅の備忘録なので旅行サイトとしては役立たずかも。非日常の音や匂いや光を感じたい方はどうぞ。

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