言葉の力 台湾文学館

台南でうっとりする素敵な建物に出会った。
国立台湾文学館だそう。台南はとことん博物館に溺れる旅になりそう。
おや、横浜の海岸通りにある郵船博物館に似てないか。
なんて思いながらも、ヨーロッパ風建築inアジアという大好きな光景にわくわくしながらまずは無駄に一周外周を散歩する。
全方位素敵だった。
さて、入館。
ここでも印籠のごとく学生証を出してやるんだ〜と思ったらなんと入場無料。
えー、こんな素敵な建物なのにいいんですかー。
ここもまた、日本統治時代に台南州の庁舎として建てられた日本人建築家による建物で、今は台湾指定の文化財になっているそう。
戦争やらなんやらでボロボロになったのを大規模修復して2003年に復活したらしいのでまだ新しい。

と思ったけど、もう20年経ってるのか…
台湾文学の複雑な歴史の変遷をまとめた「私たちの台湾を書く」という展示がとても興味深かった。
文字を持たない原住民の人たちの文学、日本の植民時代には言語の抑圧と一方で教育の近代化も経験して、台湾には本当に独特で独自の文学世界がある。

今はまたネット文学という新しい分野もあってどんどん新しい言葉の使い手が現れている。いつの世も思いを文字にする事はある種の覚悟がいる作業だなと思いながら展示を見る。
他にも箝口令が敷かれた時代の文学を体験する「文壇封鎖中」という特別展もあったり、写真NGだったんだけど、若い人たちがたくさんいてとても良い展示だった。
SNSなんかで流れてくる言葉も、真っ黒に塗り潰された箝口令下の言葉も、同じように言葉には人の心を動かす力がある。
自由に言葉を使える時代に感謝して大事にしなきゃなーと思った文学館だった。
とても良い建物と展示だったのでショップで買い物という名の課金をして終了。

学びの旅は続く。

The Weekend Traveler

時間がなくて旅に出たいけど出られないという人たちにおくる、週末中心の旅行記。個人的な旅の備忘録なので旅行サイトとしては役立たずかも。非日常の音や匂いや光を感じたい方はどうぞ。

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